機械の仕事と異なり、人の仕事は、スキルや判断の要素をまったく含まないものであってはならない。 (現代の経営/P.F.ドラッカー)

人の能力や判断力には当然、個人差があります。もちろん、熟練度やモチベーションの違いなどもあるでしょう。
それらを考慮しない組織は、短期的に利益を得ることが出来たとしても、長続きはしません。
あたかも、経費の削減で一時的に帳簿上の利益を出したとしても、将来の売上には繋がらないのと同じ様にです。

本来は、個々人の判断やスキル(強み)を活かせる仕事の割り当てをした方が、機械に任せられる仕事に人員を割り当てるようなライン仕事より生産性が上がりますよ、と言うものだと思います。
一般的には、ライン方式からセル方式への転換と言われるものです。

しかし、『機械の仕事と異なる』と言うのは、ついつい読み飛ばしてしまいそうな当たり前の一文ですが、実は大きな喚起点だと、私は思うのです。
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特にサービス業が主流となりつつある現代では、『人』こそが重要な資源であり、それを最大限に活かすためには、人間の特性と言うものを考慮したマネジメントを行なわなければなりません。

何故なら、『人』の行なうサービスは均質化することが出来ないからです。

組織としてサービスの質の向上を目指すためには、属人的な強みを伸ばしつつ属人的な依存度を少なくする、相反する課題を解決する仕組み作りが必要になります。

『人の仕事』をどのように認識し管理するのか、それは組織の3年後5年後に大きな影響を与えます。

私はそう思います。

新訳 現代の経営〈上〉 (ドラッカー選書)
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