日に新たに、日々に新たに、又日に新たなり。

名言・故事・名セリフと駄文をお届けするIT経営コンサルタント川上賢人のブログ。自称『どちらかと言えば天才』がちょっと格好良い事とかを書いてみるチラシの裏。

    カテゴリ:今日の言葉(名言名句) > 中国古典

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    磁基(じき)ありといえども、時を待つに如かず (孟子)

    磁基(じき)とは畑を耕す道具のこと。
    どんなに良い道具があっても、季節をはずしては作物は作れないと言うこと。

    つまり、優れた技術や商品も、それを活かすにはタイミングが重要だと言うこと。
    むやみやたらと猪突するだけが能ではないのです。
    私はそう思います。

    まあ、最近はハウス栽培や工場野菜など季節に関係なく作られる野菜も増えてきましたが。



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    智愚は他なし。書を読むと読まざるとに在り。 (呻吟語)

    「智」と「愚」を分けるのは書を読むか読まないか。
    実にその通りだと思います。

    特に、中国古典で書と言った場合は、古典や歴史書をさす場合が多いのですが、
    智者は歴史に学び愚者は経験に学ぶ
    と言うとおり、書を読むと言うのは、単に本を読むと言う以上に奥深い気がします。

    書に限らず、本を読むと言うのは最も安価で効率的な自己投資です。
    読書、してますか?

    [新訳]呻吟語
    呂 新吾
    PHP研究所
    2013-02-01


     

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    大国を治むるは小鮮を烹るが如し (老子)

    小鮮と言うのは小魚のことで、小魚を煮るときは、やたらとかきまぜたり突いたりすると形が崩れてしまうし、味も落ちてしまいます。
    国を治めるときは、あまり細かいことに口を出さず、民間に任せたほうがうまく治まる、ということ。どっかの国の役人に聞かせたいものです。

    それはさておき、国だけでなく、会社などの組織の運営にも同じことがいえます。
    社長が従業員の箸の上げ下ろしにまで口を出すような会社は、社長の力量以上には伸びません。
    大要を示し、細かいところは従業員に任せることが重要です。

    実際には、大要を示さず細かいことばかり言っている経営者が少なくないのですが。
    社長や管理職といったリーダーは、大きな視点で自分や組織を俯瞰することが大切です。



     

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    来(きた)る者は拒まず、去る者は追わず。 (諺)

    自分を頼ってくる人を無碍にしたり、自分から去っていく人に執着しない。
    つまり、自分のこだわりを捨て、相手の意志を尊重する大人の態度のこと。
    大人は「オトナ」ではなく「タイジン(度量や器量を備えた人)」ですが、この場合はどちらでも大差ありませんね、

    孟子が弟子を取るときの態度がこの「来る者は拒まず、去る者は追わず。」だった様です。
    そう言えば食客3千人といわれた孟嘗君の逸話でも似たような話が出てきた記憶があります。

    来るものを選り好みしたり、去っていく人に執着するのは器量が足りないか、自分の軸が定まっていない小人だといえます。
    小人は「コドモ」ではなく「ショウジン」ですが、この場合はどちらでも大差ありませんね、

    全てがそうだとは言えませんが、去る者は追わずの態度を潔しとしないのはまさに「小人の交わりは甘きこと醴の如し」の現れと言えます。

    どちらかと言えば人付き合いは苦手(というか面倒)なのですが、だからこそ「来る者は拒まず、去る者は追わず」の態度が程よい人間関係なのではないかと思います。

    孟嘗君(1) (講談社文庫)
    宮城谷 昌光
    講談社
    1998-09-04


     

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    泰山は土壌を譲らず、故に能く其の大を成す、河海は細流を択ばず、故に能く其の深きを就す。 (李斯/戦国策)

    「河海は細流を択ばず」だけで故事として用いられることも多いですね。
    黄河や海は、どんな小さな川でも取り入れることから、度量が広くて懐の深い大人物は人の意見をよく聞き、分け隔てなく人を受け入れると言う意味。

    始皇帝が中国統一を果たす少し前、秦の国内で灌漑事業を担当していた他国出身の大臣らに対して、何か良からぬ意図があるのではないか、と国内出身の臣下らが始皇帝に告げ口をした。
    ま、ぶっちゃけやっかみですね。

    始皇帝と言うのはその後の焚書坑儒でも有名なように、相当に猜疑心の強い人物だった様で、その意見を聞き、他国出身の臣下を全員退去させる命令を出してしまいました。

    これに対し、臣下の1人、李斯(後の丞相だがこのときは1家臣)がその命令を取り下げるべきだ始皇帝に諫言。
    その際に例えとして挙げたのがこの言葉。
    君主を持ち上げつつ諌言する、上手いですね。
     
    戦国策 (中国の思想)
    戦国策 (中国の思想) [単行本]

     

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