IT系コンサルタントなのにITの話をめったにしないIT経営コンサルタントのマイスター川上です。

久しぶりに真面目な話を1つ。例によってITの話ではありません(笑)
採用には適性検査の活用がお勧めだというお話。
人を見分ける力に自信のある人ほど間違った人事を行う。人を見分けるなどは、限りある身の人間に与えられた力ではない。

百発百中に近い人事を行う人は単純な前提に従っている。人を見分ける力などありえようはずがないとの前提である。

彼らは人物診断のプロセスを忠実に踏んでいく。
(非営利組織の経営/ドラッカー)

採用を面接だけに頼るなど、人を見分ける力に自信があると慢心している証拠でしかありません。
起業して最初の数年の私がそうでした。何度悔しい思いをしたことか。

人を信じる、なんてキレイごとだけでは経営は出来ないのです。

が、 実際には面接だけで採用を決める経営者は少なくありません。

中小企業の採用において面接は大きなウェイトを占めますが、それだけでは十分ではないのです。
履歴書や実務経歴書などの書類選考、筆記試験や適性検査、インターンシップ、etc.

どの手法が良いではなく、複数の手法を組み合わせて色々な角度から診ることが重要なのです。

個人的にオススメしているのは筆記試験と適性検査。
客観的な視点で応募者をチェック評価することが出来ます。

採用は投資です。

採用した従業員が利益を出す前に退職したら会社は赤字なのです。

採用した従業員が一人前になって利益を出すまでには手間もお金も時間も掛かります。

工場のライン作業でもない限り、採用した従業員は即戦力にはなりません。

かならず教育研修の期間が必要です。

採用に掛かるコストは求人広告や会社説明会の費用だけではありません。
ハローワークで求人出せば費用はゼロだと思っているなら経営者としては素人同然と言うことです。

例えば採用面接に掛かる時間コスト。現金こそ出て行きませんが、目に見えない費用は発生しています。

また、採用した従業員が1人前になって利益を出し始めるまでにかかる教育研修の費用や、1人前になるまでの間に周りの先輩社員が新人社員をフォローするのに掛かった労力や時間など、目に見えないコストは山ほどあります。
それらのコストを回収する前に退職されると会社は大赤字なのです。

辞めたらまた雇えば良い、と思っている経営者は人材に対する投資意識がないと言うことです。

そんな経営者が従業員を大切にするはずがありませんよね。
職場環境も推して知るべしです。

閑話休題

適性検査というと、人格を評価するかのような間違ったイメージがあるのか、なかには感情的な拒否感をあらわす経営者もいます。
実際には、統計データに基づいて職種や会社(経営者)の欲しい人材象にどれだけマッチしているかといった適性を診断するだけで、応募者の人格を評価するわけではありません。

人間の長所と短所は表裏一体であるように、仮に『ルールを守る人』という診断項目があった場合、それを真面目と評価するか融通がきかないと評価するかは経営者次第なのです。

適性検査の正しい使い方は、面接の際の参考資料にしたり、面接の印象を適性検査の結果と突き合わせて評価の参考にするためのものです。
通常は適性検査の評価だけで合否を決めるワケではありません。

まあ、世の中には占い師に占ってもらって採否を決めるというぶっとんだ経営者もいるそうですから、適性検査だけで判断してしまうお馬鹿な経営者も居るかもしれませんが、、、
本来は判断資料、主に面接の補助資料でしかありません。
そして、採用(面接)の精度をあげるのに、適性検査は非常にコストパフォーマンスに優れています。

採用経験の浅い経営者や士業の方などで『ある程度の規模になったら適性検査を導入しよう』と言う方がいますが、正直あまり意味がありません。
ある程度の規模になると、1人や2人の採用に失敗しても経営にたいした影響は出ないからです。

採用に失敗したら経営に影響が出る規模の中小企業や小規模事業者ほど、採用の精度を上げるために適性検査の導入がお勧めなのです。

適性検査はいろんな種類があり、金額も高低ありますが、簡易なものであれば数百円、ちょっと本格的なものでも数千円で利用できます。
応募者に試しにアルバイトで1日働いてもらう金額より安く済みます。

人間には向き不向きがあります。能力だけでなく、性格的に向いている職種、不向きな職種と言うのは厳然たる現実としてあります。
「人を信じる」なんてキレイごとで適材適所を計らないなら、それはただの職務怠慢です。
会社(経営者)だけでなく、採用した従業員も不幸になるのは目に見えています。

採用の基本は
1.欲しい人材象を明確にする
2.人材象にマッチした適切な求人を行う
3.選考精度を上げる
4.フォローアップを行う

どれか1つ欠けても採用の成功は運任せになります。
運任せの行動は博打と呼ぶのであって経営とは呼びません。
 
ぶっちゃけた話、100人ほど面接して10人ほど採用してみたら適性検査の有難味がわかるよ。

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