最近、ネットで見かけるBuzz記事に「なぜ10分で出来る仕事に高い料金を請求するのか?」というのがあります。
まあ、ネタ自体はかなり昔からあるんですが、最近また出回ってますね。
一応貼っておくと、
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デザイナー「頼まれたデザインができました。」
クライアント「10分で終わらせた仕事に、どうしてそんなに高い料金を払わないといけないんだ?」
デザイナー「10分で終わらせられるよう10年かけて勉強したからです。」 
ってヤツ。

勉強に10年かけたから高いというとじゃあ20年やってるデザイナーはもっと高いのか?
というチャチャを入れる人もいそうですが、
その仕事に必要な知識やスキルを身に付けるのに掛かった費用や時間が無視されがちなのはよくある話です。

でもこれって、ガソリンスタンドのバイトだって危険物取扱者の資格があれば時給が上がる(最近のセルフ系は知らんが)し、高卒の初任給より大卒の初任給が高いのは年齢だけじゃなく、それだけの価値(能力)があるハズだ、と言うのと同じ理由なワケです。
実際の能力差がどうなのかってのはこの際置いとくとして。

報酬が時間単位から案件単位になっただけのことなんですよね。

個人的には、誰でも出来る単純作業(=労働)とスキルや知識(あるいは経験)が必要な知的生産(=仕事)が混同されているのが一因で、労働基準法なんかはその最たるものだと思っていたりす(ry

閑話休題

私がお仕事にしているパソコンサポートやWEB制作でも似たような話はよくあります。

特にパソコンサポートなんぞは、知っているか知らないかの差はとても大きくて、知っていれば5分で解決する問題も知らなければ調査や試行錯誤に何時間もかかり、最悪は何日かけても解決できません。
そういう世界です。

また、ある程度の知識やスキルのある人であれば簡単なアドバイスで解決できることでも、そうでない人にはアドバイスすること自体が難しいので素直にプロに任せて金払え、という回答になることもままあります。
もちろんビジネスなので言い方はもっとソフトにオブラートに包んで言いますが、要はそう言う事。


もうひとつ価格があってないようなサービスにWEB制作、いわゆるホームページの制作があります。

最近はホームページビルダーとかホームページ制作ソフトや簡単にホームページが制作できるサービスが増え、ホームページ自体がより身近になってきたから余計にかもしれません。

見た目だけなら、ちょっとデザインのセンスがある素人が作ったホームページの方が格好良く見えることだってあります。悔しいことに。
もちろん、プロが作ったホームページなら見た目の違いだけでなく、ぱっと見では分からない点などで色々違いがあるワケです。本来は。
(実際には本当にプロが作ったのか?と言うようなサイトが少なくないのも業界の一員としては困りモノなのですが)

そんなプロが作るホームページは一体おいくらなのか?
ここ10年で半値ぐらいまで下がってきてはいますが、それでも最低○十万円からと言うのが相場。
もちろん内容やその会社のビジネスモデルによっても違うので、ぶっちゃけピンキリです。

さて、資格取得などでメジャーなヒューマンアカデミーさんにもWeb系のコースがあります。
その中に「Webクリエイターコース」と言うそのものズバリなコースがあります。
お値段 385,000円(税込 415,800円) 
1単位180分で23単位と言うので、1日1単位ずつ受講しても約1ヶ月かかります。

もちろんもっと安いコースもあったり他校の類似コースはもっと安かったり高かったりしますが、その仕事が出来るようになるまでに掛かった費用の参考にはなります。

つまり、プロの価値ってのはここがスタートラインなんですよね本来は。
で、これにセンスやノウハウ(経験)やその他の関連する能力、ブランドなどが上乗せされたものがそのプロの価値、提示する金額のベースになるワケです。

単純化してしまうと、ホームページを作る際に、自分で上記の予算と時間をかけて勉強して自分で作るのか、同じ予算と納期でプロに作ってもらうのか。
と言うこと。

実際には制作する内容とか会社のビジネスモデルとか顧客との関係性とか色々な要因でお値段が決まるワケですが、プロにとって簡単だから単純に安いと言う理由にはならないと言うことなのです。
どんな仕事でも。

職人技と言うと大げさですが、すべからく単純労働以外の仕事は「10分で終わらせるためにお金と時間をつぎ込んでいるんだからそれに見合った代価を払え」と言うお話になるワケです。
そこをどう安く提供するかってのは企業努力の問題であって、それが行き過ぎると現場にシワ寄せががが。