泰山は土壌を譲らず、故に能く其の大を成す、河海は細流を択ばず、故に能く其の深きを就す。 (李斯/戦国策)

「河海は細流を択ばず」だけで故事として用いられることも多いですね。
黄河や海は、どんな小さな川でも取り入れることから、度量が広くて懐の深い大人物は人の意見をよく聞き、分け隔てなく人を受け入れると言う意味。

始皇帝が中国統一を果たす少し前、秦の国内で灌漑事業を担当していた他国出身の大臣らに対して、何か良からぬ意図があるのではないか、と国内出身の臣下らが始皇帝に告げ口をした。
ま、ぶっちゃけやっかみですね。

始皇帝と言うのはその後の焚書坑儒でも有名なように、相当に猜疑心の強い人物だった様で、その意見を聞き、他国出身の臣下を全員退去させる命令を出してしまいました。

これに対し、臣下の1人、李斯(後の丞相だがこのときは1家臣)がその命令を取り下げるべきだ始皇帝に諫言。
その際に例えとして挙げたのがこの言葉。
君主を持ち上げつつ諌言する、上手いですね。
 
戦国策 (中国の思想)
戦国策 (中国の思想) [単行本]