自分自身の正しさを確信するなど、まさに狂気以外のなにものでもない。 (皇国の守護者3/新城直衛)

(冴香)「どのように評すべき人物なのでしょうか」
(新城)「後悔はしても反省はない。そういうことだろう。佐脇少佐は昔からそうだった。けして無能ではないのに、正しい結果を導けない。」
(冴香)「自分の正しさを確信しているからです。」
(新城)「つまりは始末に負えぬ莫迦ということだ。まったく度し難い。」
(新城)「自分の正しさを確信するなど、まさに狂気以外のなにものでもない。僕はよく知っている。たまに、僕は正しいと思うことがあるからね。だからこそ自分自身が信用ならない。」
(冴香)「大隊長、ならばあなたは何を?」
(新城)「別にこれといってないね。せめてものこと、最悪の中の最善を希求したい、そう願っているだけだ。そうしていれば自分の過ちと他人の成功を等価で眺めることができる。気分が楽になる。次の最悪に備えられもする。」
(冴香)「それは諦観と呼ぶべきものでは」
(新城)「悪いが、君。僕は物心ついて以来、なにかを諦めたことなど一度もないよ。と言うより、諦めるという言葉の意味をいまだに実感できない」
(冴香)「機会を待ち望んでいる?」
(新城)「待ち望みなどしない 作り出そうとしているのだ」

「皇国の守護者3 灰になっても」 より

機会は、待ち望むよりも作り出したいものです。
 

皇国の守護者〈3〉灰になっても (C・NOVELSファンタジア)
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